高齢者と口腔ケアについて

高齢者の認知症や嚥下障害の予防を徹底して行うためには、日ごろから口腔ケアをきちんと行って、口内の状態を良好に保つことがとても重要です。特に介護度が高い人や入れ歯をしている人は、様々な原因で口内環境が悪化したり、歯周病のリスクが高まったりするので、介護職は専門知識を身につけたうえで、正しいケアを実践するようにしましょう。

身体介助が必要な高齢者や認知症の方が多く入所している特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームにおいては、1人1人の介護職が安全に口腔ケアを実践できるよう、定期的に口腔ケアの研修を行っているところもあります。そのため、口腔ケアの基本をきちんとマスターしたい人は、転職の際には、研修制度がしっかりと整っている介護施設に注目してみてください。

それから、それぞれの利用者の状況に合わせて口腔ケアを行うためには、介護職や看護師だけで対応をするのではなく、定期的に歯科医師や歯科衛生士などにアドバイスを求めることもポイントです。医療面のケアにも力を入れている介護施設では、常勤や非常勤の歯科衛生士を配置しているところもあるので、そのような職場に勤務している方は、きちんと各職種間で連携を図るようにしましょう。

なお、職場内で十分な口腔ケアに関する研修を受けることができない場合は、医療や介護の従事者を対象とした勉強会やセミナーに参加したり、通信教材を利用したりする方法をおすすめします。