口腔ケアを行う時に大切なのは、健康な口腔内とトラブルが起きている口腔内の違いを理解しておくことです。介護職は、口腔内のトラブルを早期に発見するために、歯茎の腫れや舌、粘膜などの色や腫れ、炎症などの変化をチェックできるスキルを身につけておくようにしましょう。
また、口腔ケアを行っている間は、誤嚥や心身に負担がかからないように、姿勢に気をつけて、声をかけながら短時間でケアを行うことがポイントになります。口腔内はデリケートで、歯ブラシによる摩擦などによって粘膜に傷がつくと炎症を起こす原因になるので、利用者の要介護度に合わせて、丁寧にケアを行うようにしてください。
具体的なコツとしては、歯ブラシを行う時は力を入れずに1本ずつ丁寧にブラッシングしていくことが重要です。歯の間や奥歯の溝など食べかすや歯垢が溜まりやすい部分や細菌が増殖しやすい舌は、歯間ブラシや舌用ブラシなどを活用してケアをします。また、口腔清拭の場合は嘔吐反射を起こさないように力の入れ方や頬の粘膜に痛みを与えないように、指を入れる深さを確認しながら行いましょう。
さらに、入れ歯を使用している方の場合は、入れ歯の清掃やメンテナンスも口腔ケアの一貫として行う必要があります。口腔内が清潔になり、味覚が正常になると、心身の健康にも繋がるため、介護職は利用者がリラックスして口腔ケアを受けられうようにスキルを身につけておいてください。